木造建築とはなにか。構造との違いから探る、特徴やメリット
木造建築とは、いったい何でしょうか。 建築物の構造には、大きく分けて鉄筋コンクリート造、鉄骨造、そして木造があります。それぞれの構造は、使う素材やその特性によってメリットデメリットが変わってきます。 他の構造と比較することで、木造とは何かが見えてきます。 意外に、考えてみるとあいまいな「木造」という言葉。改めて「木造」についてまとめてみました。 木造とは、建物の柱、梁、桁(けた)、小屋組み、壁などの構造体を木材でつくる建築物を指します。現在では一般的な製材に加え集成材、CLT、LVLなどといった様々なエンジニアリングウッドが生み出され、日本人になじみの深い木造住宅などに加え、より大規模な建築が実現できるようになってきました。 木材そのもののデザイン性の高さは、木造のメリットの一つ。木目の美しさを活かし、魅せ方を意識した構造を発想することができます。準耐火建築物やその他の建築物などでは、木材を耐火素材で被覆する必要がないため、骨組みをそのまま見せる「あらわし」の手法を使うことも。「あらわし」によって、木造ならではのダイナミックさをデザインに取り入れることが可能です。 せっかく木造で建てるのであれば、建物の内外から木の質感を感じられるような造りにしたいですね。 木材そのものが鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べて軽量なため、コストや工期などに良い影響をもたらします。軽量のため施工性が高く、地中に杭を打つことなく建物を建てることができる場合もあります。 意外に知られていないのが熱伝導率の低さと、調湿性能が高さ。室内と壁、床の温度差が少なく、年中湿度が一定の快適な室内環境を実現できます。 また木材そのものは耐火性が低いのですが、表面を耐火素材で覆ったり、燃えしろ設計をしたりすることで他の構造と同等の耐火性能を持たせることが可能です。基準を守って設計・建築していれば、他の構造と比較して安全性に差が出ることはありません。 平成22年の「公共建築物における木材の利用の促進に関する法律」の施行以降、各省庁による木材利用の補助金が増加傾向にあります。木造建築の計画をする際は、現行の法律や制度に関して十分に調べてから設計に臨む必要があります。 実は木で建てることを前提に考えた場合、木造の他に「木質化」という選択肢もあります。 木質化とは、構造を鉄筋コンクリートや鉄骨で造り、内装や外装などの見える部分を木で仕上げること。木造とほかの構造の「いいとこ取り」ができる建て方とも言えます。木造とは何か
木造のダイナミックさ
木材の特性
木造と補助金
木造と木質化
木造とは何かについて、簡単にご紹介しました。今後、より深くその特性を比較するために、様々な専門家たちの声を集めた記事を順次公開予定です。木で建てることを検討されている方にとってわかりやすく、役に立つ情報を共有していきます。ご期待ください!