森林のはたらき、木の役割。地球温暖化と森林の関係とは。

森林には地球温暖化の原因といわれるCO₂(二酸化炭素)を吸収する働きがある、ということはよく知られています。それではその森林を切り出し木材として利用することは、環境によくないことなのでしょうか。


なぜ今、木を切る必要があるのか。森の循環と利用について

現在の日本は人工林の森林蓄積(使うべき森林資源)が豊富にあり、これを使って次の木を植えるべき時期を迎えています。人工林の森林蓄積約33億m³に対し消費量は年間でおよそ2,000m³。多くの森林が利用できる段階にあり、更新が必要にも関わらず放置されている状態です。国産木材を積極的に活用し、森の循環を起こすことで健康な森林を持続させることが望ましいと言えます。


森の働きとは。CO₂吸収と水の貯蔵

森林には人々の生活と切り離せない大きな役割があります。一つはCO₂の吸収、もう一つは水を蓄える役割です。
CO₂の吸収量は樹齢が若い木の方が高いということがわかっており、吸収量を最大化させるためには伐採と植林を行うことで定期的に森林を循環する必要があります。同時に森には雨として降った水を地下や下流に急激に流さずに保水し、人間や他の生物が少しずつ利用できるようにしたり、土砂崩れを防いだりする機能もあります。これらの機能を十分に担うために、常に循環を行って健康な森を持続させる必要があります。


木が炭素を貯蔵する。木とCO₂削減の関係

木は、光合成を行うことで空気中のCO₂を吸収し、有機物に変えます。二酸化炭素中の酸素を放出し炭素を体内に溜め込むため、木は炭素の貯蔵庫とも呼ばれます。切り出されて木材になっても炭素は木に閉じ込められたまま。実に木材の重量の約半分を炭素が占めています。他構造と比べた時にも、木造は製造時の炭素放出量が少ない上に完成後により多くの炭素を貯蔵するためCO₂削減に対する貢献度が大きいと言えます。


国土の約7割を森林が占める日本。豊かな森林を資源として活用していくため、積極的に国産材を使っていきたいものです。一方で、林業人口の減少で維持管理されている森林が少ないのも事実。国の補助金なども活用しながら国産材の利用を広げ日本の林業の再興を促すことが、理想的な森林資源の活用に繋がっていくのではないでしょうか。

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