地球大丈夫?ポイント?CDP「気候変動」分野で最高評価Aリストに選定!
以前、新建築前田建設特集号『OUTSIDE THE BOX|境界の融解』で床チャンバー空調の解説をしてくれた環境技術担当の久保さんが、同僚のEちゃんに質問攻めにあっています・・・ ねえ、久保ちゃん、先日うちの会社のホームページで「CDPでAリスト」って載ってたけど、あれってどういう意味なの?もしかして「Chikyu-Daijobu?Point(地球、大丈夫?ポイント)」とか? 全然違います。しかし、恐ろしいことになんだか意味が当たらずとも遠からずというか、、、さすがEさんですね。 なんだ、違うんだ。じゃあどういうこと? CDPというのは、世界的な環境情報開示システムのことで世界の株式市場の時価総額の3分の2を占める23,000以上の企業に毎年、環境の取組について質問を出して、その回答をもとに、企業にランクをつけて投資家などに情報開示する英国のNGOです。以前はカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)という名前でした。 あ、だからCDPなのね。でも、なんでそんなことするの? 企業に投資する場合に、その企業の事業の状況や将来性などを知る必要がありますよね。誰でも将来有望な株に投資したいものです。でも全部の会社の統合報告書やホームページを調べるなんて現実的ではないですよね。そこで同じ切り口で比較ができるこの情報がとても役に立つわけです。 なるほど!つまりどの会社が「推し」なのかを判断する材料ってことね。 まあ、そんなところでしょうか。 じゃあAっていうからにはBとかCよりいいの? おっしゃる通り、Aは一番上の評価です。A、Aマイナス、からD、Dマイナスまでの8ランクあってその中のトップです。今年度はまだ発表されていませんが、昨年度は世界中でわずか346社のみがAリストだったそうですよ。 えー!すごいね。でも、何がそんなにみとめてもらえたの?正直に言うと、働いている私は何も変わっていないような・・・ 再生可能エネルギーを積極的に活用したり、グループ会社の前田道路の低炭素アスファルト合材の拡販などもありますが、私たちが取り組んでいる建築物のホールライフカーボン排出量の評価もお役に立っているようです。 ホールライフカーボン排出量?って何? 気候変動防止のために二酸化炭素の排出を減らそうという動きはご存じですか? あ、それ知ってる。何年か前に子どもと一緒にチャレンジしたエコ生活チェックで勉強したよ。 なるほど。このことは、私たちの日頃の生活にも浸透してきているようですね。一方で私たちの本業である建築という分野で建物の一生を見ると材料の製造を含めた建てるときや壊すときつまり建設時や解体時、そして使い続けているときつまり運用時、どのタイミングでも二酸化炭素を排出してしまいます。これらの建物の一生に排出される二酸化炭素の量をホールライフカーボン排出量、ライフサイクルCO2排出量とも言いますが、というのです。 なるほど~。で、それを評価するってどういうこと? 先ほどお話したように、建設時・解体時の排出と運用時の排出の大きく分けると二つの二酸化炭素排出があります。そこでまずは建設時や解体時には製造時に排出の少ない材料を使うなど、ざまざまな技術を駆使します。もう一方で運用時には省エネの器具を使ったり、自家発電をしたりします。評価をするというのは、これらによるホールライフカーボンの削減量を、お客まさにわかりやすくお伝えすることを指すのです ??なんでお客様が、そんなこと知りたいの? 今は、みんなが協力して二酸化炭素を減らさなければなりません。そのためどの企業も目標を決めて削減に取り組んでいるのです。どうしても建物を建てたり使ったりすると二酸化炭素を排出しますが、それを少しでも減らすには数字で見えるほうがゴールを目指しやすいでしょ? なるほど。そういうことならお客様は助かるかもね。 そんなわけでそれを使って、前田建設で設計・施工させていただくお客様に、建設費をお知らせするときに合わせてホールライフカーボンをお知らせする取り組みが、この春から本格的に始まります。 とてもいいと思うんだけど、でも、久保ちゃん、また仕事増えて大変じゃないの? いいところを突きますね。そうなんです。全部僕が計算するのははっきり言って大変すぎます。ですので、そんなに苦労せずに評価ができるシステムをつくってしまいました。 システムをつくった?さすが久保ちゃん!ところでそのシステムなんていう名前なの? 建設・解体時の方は、CO2-Scope®、運用の方はZEB-Scope®といいます。すでに商標登録済みです。 さすが久保ちゃん、抜かりないね。しかしそれ、どっかで聞いたような・・・。 ホームページにも掲載されていたので、その記事を見てくださったのかもしれませんね。ありがとうございます。先ほどのAリストでもこれも評価されたと考えられるのでとてもうれしいです。 もう怖いものなしだね! いや、まだそうでもなくて。今回のCDPのAリスト入りは気候変動に関するものだけでしたし、毎年しっかりと取り組まないと来年もAリスト入りできるかわかりません。それに実は、気候変動以外にもフォレスト(森林)とウォーター(水)があります。残念ながら、まだ弊社はいずれも評価はCです。2023年の他社の状況を見るとフォレストは30社、ウォーターは101社がAリスト入りしています。 うわー、先は長いね。でも最近は木を使った建物をつくったり、森とも連携し始めてるから、そのうちAリスト入りできるんじゃないの?。 そんなひとごとみたいに・・・。今回の気候変動Aリスト入りは、インフロニアのグループ社員一人ひとりが取り組みを頑張ったからこその評価なんですよ。Eさんも自分事だと考えて一緒に取り組みましょうね!