空中禅道場「禅坊靖寧(ぜんぼうせいねい)」が竣工しました!
空中禅道場「禅坊靖寧」が竣工しました 森に浮かぶ空中禅道場 ※リトリート…仕事や日常生活から離れ、非日常的な場所で疲れた心や身体を癒す過ごし方 淡路島といえば… 建物概要 工事名称:(仮称)空中禅道場新築工事 建物の特徴① 宙に浮く建物(1階 客室、2階 座禅ステージ) 2階は、幅7.2m・長さ81mつづくデッキがあり、禅体験・ヨガなどマインドフルネス(瞑想)を行うスペースとなります。可動式のアクリル引戸は全面開くことができ、開放感あふれるスペースとなっています。 デッキ全景 2階床から1m上がった高さに設けられた座禅ステージ 夜間の座禅ステージエリア 木材の仕様 注目ポイント①…宙に浮く部分を支える大断面集成梁 柱脚間スパン21mを大断面集成梁でとばす ラージフィンガーによる梁の継手部 注目ポイント②…木軸と鉄骨のハイブリッド構造 注目ポイント③…宙に浮く範囲のたわみ※への対処 ※たわみ・・・棒状の物体が湾曲する変形 全体的な構造体の組み立て完了後、支えを撤去し柱脚間が宙に浮くかたちとなりました。ムクリ※をつけた結果として、たわみ発生量は事前の構造計算解析時の値と近似値となり、仕上げへの大きな影響はありませんでした。 ※ムクリ・・・凸型に膨らむように反っている状態 組立中 油圧ジャッキを用いムクリをつける まとめ 全景 エントランス側から望む 宿泊棟の外観 建物先端部を下から見上げる 2階デッキ 北から南を望む 客室内観 2階デッキ 夜景 エントランス 夜景
淡路島の北・本州より明石海峡大橋を渡り車で10分ほどの大自然の山あいに、パソナグループ様が運営する禅リトリート※&レストラン「禅坊靖寧(ぜんぼうせいねい)」がオープンしました。
古事記の冒頭を飾る「国生み神話」で、日本で最初に生まれた島と描かれています。また、日本最古の神社とされる「伊弉諾(いざなぎ)神宮」があり、パワースポットとして多くの観光客が訪れます。伊弉諾神宮の中には、「陽の道しるべ」と記された伊弉諾神宮を中心とした太陽の運行と有名神社の関係を表すモニュメントがあります。
設計は建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した坂茂氏。ウッドデザイン賞2022では、応募総数330点の中から林野庁長官賞を受賞しました。
施設名称:禅坊靖寧
所在地:兵庫県淡路市楠本字場中2594-5
発注者:株式会社パソナグループ
設計監理:株式会社坂茂建築設計
施工:前田建設工業株式会社 関西支店
工期:2020年11月20日~2022年3月31日
用途:宿泊施設
構造:木軸+鉄骨ハイブリッド構造
階数:地上2階、地下1階(別棟機械室)
最高高さ:15.67m
敷地面積:2,983.04㎡
建築面積:738.85㎡
延床面積:982,15㎡
1階フロア全体をフィーレンデールトラス構造(はしご状)とすることで、宙に浮いたようなかたちを実現しました。
構造体と内外装材の総木材材積量は、約410㎥になります。羽目板やデッキ材などの内外装材はスギ、柱梁の構造体はベイマツやオウシュウアカマツを使用しています。
柱脚間21mをとばす大断面集成梁 W600××H1000 は、幅方向に4枚(W180×2枚、W120×2枚)を現場で貼り合わせています。長手方向の継手は「ラージフィンガー継手」とよばれ手のひらの指を連想させます。
宙に浮く部分は、たわみの発生が予想されました。大きくたわみが発生すれば仕上にも影響してきます。たわみへの処理を下記のように行っています。
尾根筋の傾斜地という立地条件で建物の半分が傾斜地から突き出し、森の中に浮かぶ施設が完成しました。大自然の中にあり鳥のさえずりや蛙の鳴き声がたえず聞こえ、夜には美しい星空を見ることができます。新しい休暇の過ごし方として最近注目されている「リトリート」をコンセプトとしており、禅体験やヨガをメニューに組み込んだ宿泊施設となっています。また、淡路島ではその他にもレストランやカフェなどの新しいリゾート施設が続々とオープンしています。一度みなさまも淡路島を訪れ心身のリフレッシュのために、リトリートしてみませんか。