第1回 「耐火性能が気になる木造建築。耐火構造と準耐火構造、どっちが火に強い?」| 建築基準法再発見!
優勝と準優勝、どっちが上? 答えは優勝。 (表1)※クリックして拡大 実は、耐火構造と準耐火構造に求められている耐火性能と準耐火性能の考え方(定義)が違うので、一概には比べられません。 耐火性能は、火災による火熱が「ある時間」加えられた場合に、構造上支障のある変形・溶融・破壊等の損傷が生じないことです。(令第107条) この違い、なんとなく分かりますか? 例えて言うなら、1時間耐火性能君は100m全力疾走した後もピンピンしているけど、1時間準耐火性能君は100m全力疾走はできたけどゴールした後に倒れちゃった。という感じでしょうか。100mの間は互角の勝負でした。 一般的に「建築物の構造」っていうと、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等のように「構造体の材料」のことを思い浮かべます。ところが、建築基準法では火災への対策も重要ですので、耐火構造、準耐火構造、防火構造等のような「耐火・防火性能」が大きな問題となります。 木造の建築物といっても、耐火構造、準耐火構造、防火構造等の選択肢があるんです。 【シリーズ:建築基準法再発見!】 お問い合わせ先:株式会社確認サービス
防火地域と準防火地域、どっちが厳しい? 答えは防火地域。
耐火建築物と準耐火建築物、どっちが火災に強い? 答えは耐火建築物。
では、耐火構造と準耐火構造、どっちが火災に強い? 答えは?
表の耐火・防火時間を見ると、通常の耐火構造は1時間で準耐火構造は45分なので、答えは耐火構造かなって思ってしまいます。
でも、表を良く見ると、耐火構造でも30分があり、準耐火構造でも1時間があるので、「あれっ?」って思いますよね。1時間耐火構造と1時間準耐火構造って同じでは?
準耐火性能は、火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後「ある時間」の間は構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊等の損傷が生じないことです。(令第107条の2)
「構造体の材料」と「耐火・防火性能」の間には単純な相関関係はありません。
建築物が鉄筋コンクリ―ト造であればイコール耐火構造となることが想定できますが、絶対に耐火構造になるとは限りません。また、木造だから耐火構造ではないとも限りません。
耐火構造っていっても、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の選択肢があるんです。建築基準法監修:株式会社確認サービス
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