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建築基準法改正を(辛口で甘めに)斬る! 第5回「えんしょうぼうし」~耐火建築物等その3~

2020-06-19
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このシリーズの執筆・監修を担当する株式会社確認サービスのインタビュー記事はこちらです



 前々回から建築基準法における新しい防火関連規制の3つの切り口をご紹介中です。
 ①火災時倒壊防止建築物「とうかいぼうし」
 ②避難時倒壊防止建築物「ひなんあんぜん」
 ③市街地延焼防止建築物「えんしょうぼうし」




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 今回は「えんしょうぼうし」について見ていきましょう!

 都市火災の延焼拡大防止のために都市計画法で「防火地域」と「準防火地域」が定められています。それを受けて建築基準法では「防火地域には耐火建築物」、「準防火地域には準耐火建築物」を基本とする制限があります。
 もちろん、例外的に防火地域でも延べ面積100㎡以下の小さいものは準耐火建築物でもOKですし、準防火地域でも開口部を制限した準耐火建築物でないものもOKの場合がありました。

 今回の改正にあたっては、新潟県糸魚川市で2016年(平成28年)に発生した市街地大規模火災を教訓として、既設の密集している木造建築物の建て替えを促進することを目的に次の2点が見直されました。プラス木材利用の推進のための改正でもあります。
 1)耐火建築物でなくても延焼防止上同等な「延焼防止建築物」、準耐火建築物でなくても延焼防止上同等な「準延焼防止建築物」でOKとする。→法第61条等の改正

 2)今まで防火地域内の耐火建築物のみだった建蔽率のおまけを、準防火地域内にも、「延焼防止建築物」や「準延焼防止建築物」にも拡大する。→法第53条の改正



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「延焼防止建築物」や「準延焼防止建築物」は、市街地における隣地火災からの「えんしょうぼうし」がメインですので、建物内側の柱や梁よりも外側の外壁・軒裏や開口部の防火性能を重視しています。
 →詳しくはR01告示194号

 例えば、物品販売店(告示194号第2の第2号の(3))だと、外壁・軒裏が90分準耐火構造、開口部が30分防火設備となっており、結構ガチガチです。今まで聞いたことのない90分準耐火?30分防火設備?ええっ?と思われる方は元々の耐火建築物、準耐火建築物の方がシンプルに設計できますので、今までどおりでいきましょう。

 第3回「ひなんあんぜん」の稿でも述べましたが、今回の改正では今まで法律で定められていたことが告示で定められるようになりました。法律・施行令・告示の仕組みを変えて、改正のハードルが高かった法律から低めの告示に変わったことで、今後は容易に改正できることになります。
 一級建築士試験の学科問題は法律・施行令からの出題がほとんどです。法第61条関係から出題するとなると旧法第61条では四択肢に「防火地域内の延べ面積100㎡超えは耐火建築物としなければならない。」と出題できたのですが、新法第61条では「防火地域内の建築物は政令・告示で定める建築物としなければならない。」となります。なに?それ?
 出題しづらいので今年からは法第61条は出題されなくなるかもしれません。

 ラッキー

 でも、出題しやすいように告示まで範囲を広げてくるかもしれません。

 →旧法61条・62条、新法61条の概要はこちらをご覧ください。 資料①「旧法61条・62条」資料②「新法61条」



 次回はこのシリーズ最後で「えんしょうらいん(延焼の恐れのある部分)」を斬ります!

建築基準法監修:株式会社確認サービス